モダンタイムス (Morning NOVELS)/伊坂 幸太郎
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伊坂さんの新作ですね。

魔王の続編ということで期待していました

作者のあとがきでも書いてありますが「ゴールデンスランバー」の双子の弟

らしいので、スリルとエンターティンメント性でいうと、確かにこっち寄りな感じがしますね。



「そういうことになっている」ばかりで明確な相手や敵は見えず(いず)

検索をしただけで自殺に見せかけて殺されてしまうような、知らずにその歯車になってしまっている

ような世の中。

相手がデカすぎて、これからどうしようっていうのよ!?とね拷問も怖いし

屈しそうになりましたよ、読んでるこっちが(笑


まぁ隠蔽については、今でも充分に出来得るんですよね。別に目新しいことなんか一つもなくて。


少数だけど魅力的な仲間を得、勇気を持ち、大きなものではなく身近にある小さなこと、

一人の心を動かせたおかげで、彼らは助かることができた。

そのあたりの結末は、冒険活劇風?(笑)ゴールデンスランバーと双子というのもわかります。



彼の作品には欠かせない屁理屈ばかりの友人が、今回は二人も出てきて(作家の井坂と五反田)

随所随所、笑わせてくれました。主人公の突っ込みも面白かったし。

また、その二人がへらず口を叩きながらも、権力に屈せず自分にできる

ことでなんとか伝えていこう、変えていこうという姿勢を勇気を持って貫いたところも良かったな。

あぁここでつながるのか、っていうような物語の伏線のようなものは、あまり出ませんでしたが

(もしかすると私は、伊坂さんの特徴でもあるその部分にそんなに重きを置いていないのかも。

そういう作品ではないもののほうが好きだったりも)

十二分に楽しめる小説だったと思いますね。

ただ魔王&呼吸の続編という感じが自分にはしない。かな。



ただ、奥様が何の仕事をしているのか?の謎は解いてもらいたいものですし、奥様のその強さは

ちょっと漫画かなぁーなんて。

あと髭の男の死んだフリね(笑)あれもすぐわかりましたよね(笑



楽しめました!