三月の招待状/角田光代
¥1,470
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角田さんの新作ということで、しかも「離婚式」というのを聞いていたので

楽しみにしていた本でした


でも、結果は肩透かしという感じも。


登場人物たちがまさに自分と同じ世代なので、その空気感とかわかるがゆえに、

すごく身近な話だけれど、その先に感じることはあまりない。

という気分になりました。

今、自分はこの時期をもう通過したよ、という気分



何故かわからないけれど、読んでる間中お酒が飲みたくて、とりあえずビール出してきて

飲みながら読みました(笑。



学校を卒業しても、バブルもはじけて就職だって楽じゃなかったし、社会に出て妥協や苦労を

それぞれ経験しての今。34歳という年齢はもう若くはないけれど、立派な大人といえる

ほどにちゃんとできない何か。

タメなゆえにあるライバル心や嫉妬心。そして共感。



ずっと「なんだかなー」って思っていた重春が、誕生日だからちょっと豪勢に行こう、オレ金あるよ

って言うところや、結婚式当日の様子、セレクトする音楽などが冒頭の「離婚式」との

対比でぐっと若者の気配を感じられて

同じ世代ばかりの話の中にちょっと新しい風が入ったような、そこがなんかよかった。かな。




切羽へ/井上 荒野
¥1,575
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受賞作ということもあり結構前に読んでいたのだけれど、なんと書くか?迷って

やめてしまっていた。

好きな感じではあるとは思うものの、それ以上に何か、は書けなかったというか。。



が、ちょっと時間が経って感じることは、しっかり自分の中に印象を残しているということ

島での夫婦のなんでもない幸せな日常と、一人の教師が来たことによる一連の出来事。

そこに好きになった、愛してる、会いたいだのそんな言葉はなくて、ただ優しい夫を持つ身と

してここまで、という切羽へ、淡々と日常を過ごす中での心の動きが、やっぱりいいな。と



その前に「夜を着る」も読んでいて、こちらはなかなか良かったのです




他の作品にも興味があるので随時読んでいきたいと思います

償い (幻冬舎文庫)/矢口 敦子
¥680
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図書館で人気のようなので、便乗して予約してみました

分厚いわりにはサクっと読み終えることができました。


最近この手の本ばっかり読んでいる気がする

気づかないうちに手にとっているものが似たような傾向ということは

よくあるのだけれど

いちいち読むくせに、ちょっと辟易な自分(苦笑


ただ犯人にいたっては、私はどうせこの子なんでしょーと思いすぎていたので

そっかー違うのかぁ、とは思いました。

まぁそのほうがよかったし、そのほうが物語りとしても面白かったです。


長いのに、なんだかんだでその日に読み終えたのはそれだけ

飽きさせないものがあるのだと思います。



今、待機中の本は読みなれた好きな作家さんが2冊ほどあるので

この手の傾向とはまた少し離れられそうですが、ミステリー?物も

これからもついつい読んでしまうでしょうね。

きのうの世界/恩田 陸
¥1,785
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色々読んでいるはずなのに、なかなかUPできません。

書く気持ちになるようなものを読んでいないのか?すぐに忘れてしまうのか?

思い出したらまた書こう。



今回は楽しみにしていました

恩田さんの作品は好きですが、たまに大きくはずれることがあって

(私の好みでないだけだろうが)、今回はどうかなぁ~と思って

借りてきてみたのですが、正解でした


この不思議な感じが恩田さんならではでもあり、私の好きな雰囲気です



とりあえず謎が謎を呼び、なかなか解明にはいたらず

いろんな人が色々な視点と関心でもって、一つの殺人事件に

関っていくので、まわりばかりを責めていてなかなか核の部分に行き当たらない

のもじれったくも面白い。想像力をかきたてられるようだ。


で。結局解明してみると、なんともまぁ。

私の期待していたようなおどろおどろしいものではなく(笑

恩田さんらしく。一人の殺人鬼すらいなかったという。

かといってそれが、落胆してしまうようなものではなかったけれどね。


とにかく私はこういう小説が好きなのでついつい引き込まれてしまいましたね。

恩田さんも長編のほうが好きですね。

また次作は、まったく違った作品を出してくるのでしょうね、きっと

楽しみです

ファーゴ (ベストヒット・セレクション)
¥1,340
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これまた今更ですが、見て見ました


うーん。実話なのですもんね

実話といって考えていたよりも簡単にバンバン人が殺されていきます

日本とは違う銃社会ゆえなんでしょうけど

一つの歯車の狂いでここまで悲惨なことになってしまうとは。

でも、それが驚きってことではなく。そんな計画は破綻するに決まってるって

私も思いましたけど。


女警察署長のマージが独特ですね

夫のノームとの関係はとても理想的で素敵なのですが、悲惨な現場を見ながらも

肉を食い淡々と処理していくその精神力といいましょうか。昔の彼?みたいな人に

会ったりもして。

簡単に殺される人々と、もうすぐ生まれる赤ちゃん。

未来は素敵なことばかりではない、と思うんだけど。


普通に(?)幸せに生きている人には「理解できないわ」と思われる事件でも

最初の取っ掛かりは、ここまでの殺戮を予期していたものではなかった

その、人生の先のわからなさ、みたいなものをショッキングなものでなく

淡々と、ユーモアを交えて描いていて、そこが面白い。


ただ賞をとるほどなのか?(主演女優賞はわかるけど)ってとこはよくわかんないかなー

全然大丈夫
¥3,790
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これまた公開時に行こうと思っていたのに、見逃した作品。


大きな盛り上がりとか、こうなんだ!という主張とは無縁の映画ですので

そういうのが好きか嫌いかで大きく違ってくると思うんですが

最近の邦画にすごく多いこの雰囲気。私は好きでもキライでもないですね

それなりに面白いと思えるし。

だいたいそういう映画は出演者が個性派そろいで

興味をそそられてついつい見てしまうのですが、やっぱり見終わったときには

「なんだかなぁー」なんて思ってしまう。

が、逆に少し時間が経つにつれて、その世界観とかゆるい感じが気になるというか・・

これもそういう映画。


そういう邦画が多い中でも「百万円と苦虫女」は面白かったな。とか思ったり。


で、この「全然大丈夫」


木村佳乃さんのダメっぷりが最強なんだけど、最高です。

彼女の有り得ないくらいに不器用で緊張しいで、使えないところが

言葉少なでありながら優しくてカワイイところを際立たせていてとーっても魅力的です

やっぱ女優だなぁ~。

ルックスも含め好きな女優さんです。キレイな分、面白い役をやるとすごく良い。


大丈夫じゃないでしょ?!って人ばっかり出てくるんだけど、世のなかの勝ち組とか

セレブとか(笑)そういう価値観とは真逆のしあわせっていうか、人の物差しで

自分を考えなくなったなら、案外自分て「全然大丈夫」だったりするのかも。




kame


見てきました「アキレスと亀」


北野作品は初期のものは劇場で見ましたが(「ソナチネ」まで)

それ以降は、レンタルもしていないしまったく見ていません。

食指が動くものがない、というのが正直なところだったのですが、これは予告を見て

なんとなく見たいな~と思っていました。


幼少期・青年期・中年期(?)と分かれているのですが

たけしパートの中年期になった途端に笑えます。

それがいいのか?悪いのか?いまいちわからないけれど

中年になったときには、すっかり静かに狂っていたのだということなんだと。

愛?ゆえに、それに付き合う妻はどういうんだか・・

私にはあまり理解できないけれど、「別れましょう」といったときに「だってあなた芸術やめないでしょ?」

というところでは、彼女はちゃんとわかって受け入れてるな、と。

「芸術やめて」とは絶対いわないところがいいな。とは思いました


身近な人が死にすぎて、人の死に対して鈍感になり

家族というものにも興味がもてなくなってしまった彼が

最後の最後にわれに返り、「芸術」という値段も価値も人任せなものを

吹っ切ることができる。


ただやはり、ダラっと長く感じてしまうのも事実。

娘のことを考えると、ほんとサイテーとも思うし。

残酷な話しです。


俳優陣はみんなうまかったです

特に、樋口可南子、大森南朋が面白い!

伊武雅人さんもベタながらもやっぱりうまいなぁ~と。



まだ公開したばかりだというのに、私たちを含めて4人しか入っていなかったし

万人ウケする映画ではないのだろうなぁーと。

でも私は、「HANA-BI」は改めて見てみようかな?と思いました


悪くないです

9・11倶楽部/馳 星周
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これは馳さんらしいというか、昔ながらの感じが戻ってきた

ように感じる作品でしたね。


マフィア・警察・ヤクザ。全部に追い詰められてもうどうしようもなくて。。

みたいのが初期の頃は多くて、そのどうしようもない感とか

ギリギリ感が面白かったので


ただなんか丸くなったなーという感は否めません


虚夢/薬丸 岳
¥1,575
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最近サスペンス?というのか、こういう本をよく読んでいる気がしますが


なんかもう一歩ですね

ハマれるほど面白くはなく、かといって途中で放棄するほど

つまらなくもないといいますか


あまり、同じようなジャンルのものを続けて読むのはよくないかも。


インターセックス/帚木 蓬生
¥1,995
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こちらは医療サスペンス?という感じですが
とにかく「インターセックス」についての解説であったり、患者の体験談や
苦悩が多いです

で、ミステリーの部分については特筆するようなところはなく。


なのでインターセックスに興味を持てる方でないとこの長編を読むのは

難しいんじゃないかなぁ~。

私は興味深く読むことができたので、単にミステリーという枠に

とらわれずに読み進めることができましたね。


院長の岸川もただただ極悪非道な人物ではなく。

理想に燃えた男でもあるわけし(まぁー資金のために妻も。というところはすごく

納得できなかったけれど)

これからの医療について考えさせられるものでもあると思います。


ただ最後にきて「実は私も・・」的なところは、あまり衝撃はなかったし

なんか唐突な気もしましたけどね。